2025年レモン彗星、青白い神秘の尾を捉えた夜

2025/11/13

2025年11月11日 西空のレモン彗星撮影記

残っていた仕事をスタッフに引き継ぎ、16時に海陽町の山間にある徳島海南天文台へ出発しました。

道中の山道は、夏の間に伸びた雑草で道幅が極端に狭くなっており、乗用車では難儀する場所です。こんな場所で真価を発揮してくれるのが、「農道のスーパーカー」こと軽トラ!機材を積んで山奥まで大活躍してくれました。

現場に到着後、撮影準備に取り掛かります。写真撮影専用の反射望遠鏡には、天体撮影専用の冷却CMOSカメラを取り付け、ノートパソコンで制御。もう一台には300mmの望遠レンズ付きカメラ、そして三脚に乗せた双眼鏡などをセットし、薄明時に全ての準備を完了しました。

青白く、繊細にたなびく尾の撮影に成功!

今回の撮影は、月の影響を避ける必要がありました。11月5日のスーパームーン満月を過ぎたため、11月9日までは月明かりが強く、淡い彗星の尾を捉えるのは困難だったのです。

しかし、ようやく10日を過ぎて月の影響が薄れ、11日に撮影が可能となりました。この青白い長い尾は、街明かりにかき消されてしまうほど繊細です。そのため、当天文台のような、”天の川が肉眼でくっきりと見える「最高の暗闇」”でなければ、その神秘的な姿を写真に収めることはできません。絶好の条件下で、無事に彗星の尾を記録することに成功しました。

iPhone 15 Proで挑戦!まさかの彗星撮影成功

高性能な機材だけでなく、スマートフォンでもどこまで撮影できるか挑戦してみました。

iPhone 15 Proを三脚に固定し、ナイトモード(30秒露光)で撮影に挑戦。驚くことに、中央の天の川の右端に、短い尾を引くレモン彗星の姿をかろうじて認識することができました!

この写真を見ていただくと、星の輝き以外の人工光が一切ないことがお分かりいただけるかと思います。

当天文台は一般には開放していませんが、この立地こそが、私たちの天体撮影にとって「理想郷」たる所以なのです。